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秘密の学校生活
登校して席につくと安藤と木下がやって来る。
「伊調氏、伊調氏。昨日夕方に実装された高難易度クエストはもうクリアしましたかな?」
「伊調くんのことだからもう攻略済みと見た。パーティ編成の詳細をきぼんぬ」
昨日はナオと一緒にテレビゲームをやっていたので、スマホでプレイするソシャゲにまで気が回っていなかった。
「ごめん、昨日は忙してくてプレイしてないんだよね。だからネタバレ厳禁でよろ!」
こうしてこの二人と朝のHRまでアニメや漫画、そしてゲームの話をするのが僕の至福の時間だ。
今夜は三人でオンラインでゲームをしようということになり、都合の良い時間を決めていると教室の戸が開く。
ちらりと視線を向けると、ナオが渋谷と井田達と入室してきた様だった。
「なぁ、今日の放課後久しぶりにオケらん?」
「渋谷、もう放課後のこと言っててウケっし。つーことで俺はオッケー。藤浪は?」
「おー、オケんべオケんべ!」
ノリノリのナオにちょっとだけモヤモヤする。カラオケとか、そういう暗くて狭い所へ俺以外のヤツの行くのはどうなんだ? そう思ったが、ここは我慢だ。ナオにもナオの友人関係があるって分かっているじゃないか。
見ていたら腹が立つので視線を外そうとしたその時、ナオと目が合う。するとナオは渋谷達を放ってこちらへつかつかと歩いてきた。
「おい」
ナオは直ぐに近くまでくると威圧的な声と態度で俺達を順番に見渡す。安藤と木下は昨日のこともあってすっかりと身を竦ませてしまっていた。
「……なんだい、藤浪くん」
僕達に関わるなと言ったのに一体何なんだ? ナオの考えている事が分からず警戒して問いかけると、ナオはポケットに入れていた拳を木下へ向かって繰り出した!
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