彼女との想い出

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彼女との想い出

 ヘルシンキもそろそろ離れる頃が来た。白夜の日々も終わろうとしていた。私は思い切って湖畔のコテージに誘ってみた。多少値は張ったが、想い出には代えられまいと無理して借りてみた。彼女は少し驚き、いつもよりも笑ってくれた。  二人で向かった湖畔には私たち以外の客もいたが、それでもこの大自然の中では貸し切り状態だった。私たちはふたりではしゃぎ倒して、ベッドに倒れ込む頃には酩酊状態だった。乱れても彼女は眩しくて、覆いかぶさるように私はキスをした。すると、彼女はは私をくすぐったかと思うと、今度は彼女が私の上に乗ってきた。 「不思議ね、私たち、つい最近までお互いに何も知らなかったのに、今じゃこうして、裸で隣にいるんだから。」 「こういうのを運命と言うのかしら。」  そういって彼女も私にキスをした。 「私ね、真っ暗なのが、いやなの。」  外はまだ陽が沈まない。明日が今日になる頃、彼女は私の隣で囁いた。
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