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「お前も俺を裏切るのか!!?」
部屋に響く怒声と、殴られた拍子にテーブルに置かれていたコンビニ弁当が散乱してしまった
割れたコップやまだ一口も食べていないご飯が床に散らばっている
お父さんに殴られた頬が痛くて、頭がぐわんぐわんって揺れてる気がする
起き上がって、言い訳しなきゃいけないのに、頭が回らない
さっきから天井がグルグル回ってるみたいで気持ち悪い
「お前も皐月と同じなのか?やっぱりαの方が良いって言うのか?」
速水君のことを、初めてお父さんに話した
仲の良い友達が出来たって言っただけだったんだけど、僕は浮かれていて、大切な約束を忘れていたんだ
お父さんとの、大切な約束
『僕は、誰とも喋っちゃいけない』
『声を出してはいけない』
『マスクを外しちゃいけない』
3つも、お父さんとの約束を破ってしまった
だから、話しているうちにお父さんの顔が徐々に怖くなってきて、気付けば僕は床に押し倒されて何度も顔や頭、お腹を殴られていた
腕で頭を庇っていたけど、両手首を床に縫い止めるように押さえつけられ、馬乗りになって何度も顔を殴られた
「朱鳥、父さんと約束したよな?お前はあの日から皐月の代わりだと…父さんの言うことは絶対だと教えたよな?」
鼻血が頬を伝って流れ落ちる
口内を切ったのか、口の中に血の味が広がる
目がちゃんと開かなくて、溢れ出る涙で視界が歪んでいた
「この身体が誰のモノかわからせてやる」
パパのお古のTシャツが破ける音がした
床にうつ伏せで押さえつけられ、濡れてもいないアナルに無理矢理指を捩じ込まれる
「ッ…」
痛みに顔を歪めるも、お父さんは指を抜いてはくれない
「…ゃめ…、ごめ、なさ…」
ゴンッ
何かを打ち付ける音が室内に響いた
額から、何か温かいモノが流れ落ちるのがわかる
さっきよりも頭がボーっとして、意識が朦朧とする
「喋るなって言ったよな?」
お父さんの怖い声だけが頭の中で響いていた
この日、初めて媚薬もなしに犯された
濡れない秘部に無理矢理お父さんのペニスを捩じ込まれて、何度も何度も腰を打ち付けられた
痛みと吐き気を必死に耐えながら、声を出さないように泣いた
嫌なのに、気持ち悪いはずなのに、身体は快楽を感じてしまう
「朱鳥、お前は喋るなと言ったことすら守れないのか?俺との約束すら守れないのか?」
お父さんが悲しそうな声で、何度も耳元で囁いてくる
その度に頬を叩かれるから、返事をしようにも答えられない
「お前はβだ、αってのは、Ωを拐かすサイテーの野郎だ
俺は朱鳥を大切に思っているから、こうやって身体でもわからせてやっているんだ」
お父さんの口から紡がれる、何度も聞かされてきた言葉
「二度とそいつと喋るな、触らせるな、仲良くするな、側に寄るな」
お父さんの言い付けを聞きながら、奥を抉られるように貫かれた
苦しくて気持ち悪いのに、身体は反応してしまう
声を出しちゃいけないのに、突かれる度に声が出そうになる
喘がないように、必死に手で口元を抑えて声を殺した
唇を必死で噛み締めて、声が出ないようにした
それでも、お腹の奥の、入っちゃいけない場所を貫かれると声が出てしまう
声を抑えたいのに、そこを抜き差しされると声が抑えられない
「ア"ッ、んくっ…」
つい声を出してしまった瞬間、思い切り殴られてしまった
それでも、声を抑えられなくて、首にくっきりお父さんの手の跡が付くくらい首を絞められた
たくさん、怒鳴られて
たくさん、なぐられて…
心の中で何度も謝罪の言葉を繰り返した
ごめんなさい
ごめんなさい
ごめんなさい
僕の声なんてなくなればいいのに…
喉なんて、潰れちゃえばいいのに…
目を閉じて、この行為が早く終わるコトを願った
お父さんが許してくれるコトだけを願った
それなのに、目を閉じて思い出すのは彼の顔だった
僕に唯一優しくしてくれる人
僕のことを、ちゃんと見てくれた人
速水君…ごめんなさい……
αである彼の笑顔を思い出し、浅はかな自分の願いに涙が溢れ落ちた
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