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*プロローグ
「えっと……あの、僕は、何もしなくていいんですか?」
組み敷いた屈強でたくましい肉体の彼は、自分の半分程くらいしかない痩身の俺に跨られながら、戸惑いが隠せない様子だ。
「そう。ただ俺がする事を見て、感じてて」
太い凛々しい眉を下げ、動揺が隠しきれない半泣きの顔はいっそ愛らしく、俺は思わず口付けてしまう。口付けられた彼は、それだけでも身体をびくりと強張らせ、触れるだけのキスにさえ恐怖しているようだ。
――ああ、なんてかわいいんだろう……こんなに、強そうな姿なのに、小鹿みたい……
これまでに俺を見た目で勝手に判断して、力尽くでどうにかしようとしてきたような奴らと、彼は違う。
怯えつつも無防備に晒された胸元――ふっくらと焼き立てのパンのように曲線を描き、そして手触りもそれ以上にやわらかい――に触れ、そっと揉みしだくと、彼は震えながら息を吐く。
「ッは、あぁ……そん、な、とこ……」
「気持ちいい? すごく、敏感なんだね……」
「…………ッ」
屈んで耳元に口付けるように囁くと、目の前の耳たぶが赤く染まっていく。その姿に、いよいよ俺は屹立の熱が高まって止まらない。
俺の下で、打ち上げられたマグロのように横たわっている彼は、大きな身体とは裏腹に、不安そうな顔で俺をすがるように見つめてくる。この先何が起こるのかがわからず、不安なんだろう。
だから俺は、嫣然と微笑み、頬と耳の間に口付けながら甘く告げる。
「大丈夫。俺が、あなたを超気持ち良くしてあげるから」
ごくりと、彼の喉が鳴る。怯えつつも期待していることがわかり、俺も嬉しい。
それならば、と俺はするすると彼の体の上をすべるように下っていき、下腹部の辺りに辿り着く。期待に膨らむそこは、きっと俺の予想よりも隆々としたものが目を覚まし始めているだろう。たまらずに舌なめずりをし、下着越しに口付けてしまう。
ひくりとそこはキスに反応し、じわっと先走りをにじませる。
顔をあげ、じっとこちらを窺っている彼に笑いかけ、俺は彼の下着をずり下ろす。小さく悲鳴のような声が聞こえたが、構うことはない。
彼は恥ずかしさから手のひらで顔を覆っているが、その仕草さえ可愛らしく、俺は感嘆の吐息交じりに起立した彼の熱を咥えこんだ。咥えこまれた彼は、うめきとも喘ぎとも取れない声を漏らし、自然と腰を浮かせる。
(――ああ、やっと見つけた、俺の理想の体……)
じんわりとあふれる先走りを味わいながら、俺は巡り会えた奇跡に感謝しつつ、次に与える快楽に思いを巡らしていった。
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