case2 仁科優太の場合

5/5
前へ
/10ページ
次へ
僕は急いで優太くんの所に戻り彼に声をかけゆり菜ちゃんからの言葉を伝えた。 彼は嬉しそうにしていたがそれから容態が急変しその短い生涯を終えた。 近くにいた死神が優太を迎えに行きそのままあの世とこの世の狭間にいる少年の所にやって来た。 『あれ?なんで?』 「坊やがお礼を言いたいんだと」 優太はうなずくと少年に近づき少年は目線を優太に合わせた。 「お兄ちゃんありがとう。僕おねえちゃんがママになるの楽しみなんだ」 『よかったね』 「うん!」 僕は死神様にノートが強く光った話をすると死神様は【未来への強い希望を受け取ったから】と教えてくれた。 死神に手を引かれる優太は少年を何度も振りかえりやがて消えていった。 僕は今日も言葉を届ける。 いつか生まれ変わるその時まで。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加