case1 山之内絹江の場合

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「どうした?ぼうず」 僕がこの世とあの世の狭間で寛いでいると僕の上司の死神様が話しかけてきた。 『僕はぼうずではありません』 『いい加減名前をつけてください!』 僕の上司の死神様は髭を生やし見た目ちょい悪オヤジみたいだが年齢不詳だ。 (死神だから当然か) 死神様は困った顔で首を横に振ると…。 「それはぼうずが生まれ変わった時のお楽しみだ」 そう言って僕の頭を撫でた。 …なんだか誤魔化されたようだ…。 死神様は何か思い出したみたいで僕の肩掛け鞄を指さし僕はノートを取り出した。 (新しい仕事かな?) 「ぼうず…次の仕事はちーっとばかりキツイかもしれん」 「断ってもかまわんぞ」 僕は言葉の意味がわからずノートを開いた。 『え?』 そこには。 【仁科優太 5歳】 そう書かれていた…。
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