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続・猫様04 夫婦の時間
龍希を慎治に預け、諸々済ませ部屋へ戻る。
猫様龍二は、部屋のベッドの上でお行儀よく、尻尾巻き座りで待っていた。
「ごめんね?待ってたの?」
「ニャー(当然)」
ベッドに座り、龍二の身体を優しく撫でる。
「今日は、龍希がごめんね?あの子も龍二さんに似て、独占欲が強いから…」
「………ニャッ(…耳が痛いな)」
「龍希は今日、慎治くんの所だから、リュウジが今日の私のを相手して?」
「ニャー(任せろ)」
千鶴の手が、滑らかな黒毛を滑っていく。
その手が、龍二には心地よかった。
龍二の背中を滑っていた華奢な手が、
今度は顎の下を擽ってくる。
それがまた心地よく、
顎を晒し、ゴロゴロと喉を鳴らし強請る。
「ふふ、ごろごろ~。気持ちいいね」
「グルル…(確かに)」
あまりの気持ち良さに、擽る千鶴の白い手に、頬を擦り寄せる。
千鶴は、擦り寄る龍二の頭から身体へ、大きく撫でると、
龍二の身体を懐に抱き上げた。
ぱたりとそのままベッドに身体を横たえて、
黒猫龍二をそのままそっと懐に包み込む。
千鶴から優しく包まれて、龍二も千鶴を労るように身体を寄せた。
お風呂上がりの、柔らかい香り。
猫だからだろうか…、
こうして包まれていると、その香りを余計に感じた。
「やっぱりキミは、あったかいね…」
「……ニャー(お疲れ様、眠れ)」
龍二が千鶴の首元に縋りつくように身体を寄せ、千鶴の今日一日を労う。
「…………龍二…さん」
「………ニャ…(…おやすみ、千鶴…)」
千鶴と龍二は、今日も仲良く意識を沈めていった。
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