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勉強が苦手なお嬢様
「勉強なんかしませんわ!!」
わたくしは机の上に勉強しろとばかりに並べられた
テキストをなぎ倒しました。
「菫お嬢様
いい加減になさってください」
メイドの凛がため息をつきます。
「だって、だってわたくし
お勉強苦手なんですもの!!」
わたくしは二階堂菫。16歳。
二階堂財閥の令嬢にして次期後継ぎなのですわ!
わたくしが微笑んだら大抵の男子は恋に落ちますの。
そんなわたくしになぜ凛は
嫌がらせをしてくるのかしら。
わたくしは頬を膨らませて凛を軽く睨む。
「お嬢様、あたしは嫌がらせをしているのではなく
お嬢様のためを思って言っているんですよ!
会長だってそうです」
「お勉強なんかしなくても生きていけますわ!」
机に突っ伏すと凛のため息が聞こえてきた。
「お嬢様…あなたは未来の後継ぎなんですよ、
知識を身につけていないと後々困ることになります。
だから、さぁペンを持って」
凛がシャーペンをわたくしの手に握らせてきたので
仕方なくテキストと向き合います。
勉強なんか、この世から無くなれば良いですのに。
わたくしは深くため息をついたのでした。
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