まさかの異世界転移ですの!?

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「お前、本当に異世界からやってきたのか? 何の能力も持ってねーじゃねぇか!!」 茶髪に青い瞳の小麦色の肌の美少年が わたくしに問います。 さっきの石油王ですわ。 「…そ、れは分かりませんわ。 わたくしだって気づいたら この世界におりましたのよ! 召喚する前に連絡してくださったら良かったのに」   わたくしはいつものように頬を膨らませる。 「アホか。異世界と連絡する手段なんか こっちだって持ってねぇんだよっ」 石油王は獅子の如く吠えます。 ここは、どうやら宮殿の中のようですわ。 とっても広くて宮殿内は金ピカ! わたくしの好きなデザインですわね。 今度このような別荘を建てようかしら。 「はぁ、もういい。そんでお前の名前は なんて言うんだよ」 「あら、わたくしを召喚したそちらから 名乗るのがマナーではなくって?」 あら、石油王の右瞼がピクッとなりましたわ。 「いちいち癪に触る女だな…。 俺の名前はラフィル・ソレイユ。 この国の若き君主だ」 どどんっと胸を張るラフィル。 「クンシュって何ですの?」 「君主も知らねーのかよ!王ってことだよ!」 「まぁっ!わたくしの予想通り石油王でしたのね! わたくしの名前は二階堂菫ですわ!」 「セキユオーが何かは分からんが、 間違ってる気がするぞ。…とにかく、 お前…ニカイドウは水の魔法が使えないんだな?」 わたくしはこくりと頷く。 「ええ、その通りですわ。 それとわたくしの呼び方は菫で構いませんわ」 ラフィルはやってしまった、とでも言うように ため息をつきました。 そしてわたくしの鼻先に向かって 指をつきつけて言ったのです。 「今日から賢者の勉強をして、 この砂漠の世界に雨を降らせろ」と。
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