賢者の勉強なんて嫌ですわ!

1/2
前へ
/9ページ
次へ

賢者の勉強なんて嫌ですわ!

異世界で勉強地獄を強いられているのですが、 これは一体どういうことなのでしょうか。 わたくしはため息をつき机に突っ伏します。 あれからもう3日も経ちました。 2日間もこの世界の言語をラフィルから 叩き込まれてヘトヘトですわ。 両親や凛は元気かしら、遠い目をすると 講師のラフィルがギロリとこちらを睨みました。 「スミレ!勉強に集中しろっ」 「ラフィルの鬼っ!!」 わたくしは涙目になりながらも 分厚い本をめくります。 「なになに、魔法は想像力が必要である。 想像力が脆弱だと魔法は発動しない」 「つまりバカだと発動しないってことだな」 わっ、ラフィル。 いつの間に横に立っていたんですの!? 「お、目の前にバカがいたな」 ラフィルは挑発するように笑います。 イライライラッ! 「もうっ!わたくしはバカではありませんわ! バカと言う方がバカなんですのよ!」 声を上げるとラフィルはベーっと舌を出しました。 ムカつきますわ!日本で暮らしていたときも こんなにムカつくことはありませんでしたのにっ! 「陛下。執務のお時間です」 どこからからラフィルの側近が姿を現しました。 気配もしませんでしたわ! あなた忍者なんですの?! 「おう。じゃあお前は中庭で実戦練習でもしとけ」 ラフィルは側近と共に図書館から去って行きました。 よし、今のうちに逃げましょう。 わたくしはそう決意したのでした。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加