賢者の勉強なんて嫌ですわ!

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図書館を出たわたくしは布を被り 王城からの脱出を試みていました。 しかし、門の手前で兵士に 引き留められてしまいましたの! 「なんで通してくれないんですのぉっ!」 「なんで、と言われましても… 陛下が王城から賢者様を出すなとのお達しですから」 「わたくし、お散歩に行くだけですわよ?! 逃げたりなんかしませんわ!」 「そう言われましても……」 兵士たちは顔を見合わせます。 それから10分も説得したというのに兵士達は 王城から出してくれませんでした。 おかげでこの暑さの中 汗だくですわ! 「今日のところは諦めますわ」と 来た道を戻ろうとすると誰かにぶつかりました。 わたくしはその顔を見て青ざめます。 「ら、ラフィル……。ち、違いますの! 決して逃げようとしていたわけではありませんのよ! 本当ですわ!!」 そこには般若のような顔をしたラフィルが 立っていました。 「スミレ……お前も疲れるだろう と思って今夜の勉強はなしにしようと思ったが 取り消す。今すぐ部屋に戻れ!」 ヒィィッ!! その後わたくしは3時間も勉強する 羽目になったのでした。
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