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「今日から師匠と呼ばせてもらってもよろしくて?」
「あぁ、いいぜ。じゃあ早速今
教えたことをやってみな」
わたくしはラフィルの言葉に頷き
手を広げます。
「雨よ、この飢えた大地に降り注いでください」
この砂漠全体に暗雲が広がり雨が降り注ぐ
様子をイメージすると頰に水滴が落ちたのを感じた。
ポツ、ポツ、ポツ
目を開くと小雨がわたくしを濡らしていましたわ。
喜ぶのはまだ早いですわ。
その瞬間砂漠全体にザーッと大雨が降り注ぎます。
やり遂げましたわ。雨を降らせるという使命を。
わたくしは今まで感じたことのない達成感を
覚えました。
胸に爽やかな風が吹くような気持ち。
これが、やりがいというものなのね。
大雨のなかラフィルとアイコンタクトを取ります。
ラフィルはクシャリと笑い頭を
ぐしゃぐしゃに撫でました。
「よくやったな、スミレ」
その顔ははじめて会った時とは違う
心の底からの笑みでした。
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