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「きゃあっ」  一階におりると、キャシーが悲鳴をあげた。  兄のマイクが、頭から血を流してたおれているのを見たせいだ。  もちろん、マイクが苦しまないように、一発でしとめたさ。38口径のグロックでね。  おれはキャシーの手を引き、出入り口を通る。 「ひっ」  キャシーがドアを見て息をのむ。  ああ、さっき、ドアのカギを銃弾で吹きとばしたんだっけ。 「きゃあっ」  外に出ると、またキャシーが悲鳴をあげた。  父親のロバートも、頭から血を流してたおれていたからだ。  もちろん、ロバートも一発だった。  おれはキャシーを車に乗せて、エンジンをかけた。 「おじさん、ゆるして」  と、キャシーがふるえる声で言う。  おいおい、許嫁(いいなずけ)をつかまえて、「おじさん」はないだろう。  おれはまだ三十九歳で、きみとはたったの二十五歳しか違わないんだよ。  まあいい。  おれは車をスタートさせた。  どこかのモーテルに行って、これから始まる新婚旅行のことを、じっくりと話し合おうじゃないか。                              〈了〉
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