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おれは薔の花束を車に積んで、キャシーの家へと向かった。
花束は、もちろんキャシーに贈るためだ。
キャシーはおれの許嫁だ。
ある日、キャシーがおれの経営する小さな花屋に立ち寄る、という、運命の出会いがあった。おれたちはたちまち恋に落ちた、というわけだ。
さて、日曜の昼下がり、おれの車は小高い丘をこえて、キャシーの家に着いた。家の横にはトウモロコシ畑が広がっている。
おれは花束をかかえて、車からおりた。
家の前には、キャシーの父親のロバートが出ていた。
おれがあいさつすると、ロバートはとても嫌な顔をした。
ううむ、父親というものは、娘の許嫁に対し、よい感情を抱かないものらしい。
おれは少々強引にそこを通らせてもらうことにした。
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