告白

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告白

「ここからは爺さんにも分からないだろうな。動機や釣部の爺さんとどうやって出会ったか。いくら賢くても、こればかりは推測するしかないからな」  やめろ。やめてくれ。これ以上、暁から犯行を認める言葉は聞きたくない。 「そうじゃな。さすがにわしもそこまでは分からん。問題なければ話してくれんかのう」 「さて、どこから話すかな」 「暁殿、まずは二人の動機が知りたいのう。わざわざ手の込んだ殺し方をしたのじゃ。それなりの理由があるのじゃろう?」 「まあ、そこから話すのがいいだろうな」  僕は喜八郎さんと暁の会話を聞くまいと耳をふさぐ。しかし、静寂な広間の中では二人の声が際立つ。どうしても聞こえてしまう。 「まずは俺の動機からいこうか。簡単に言ってしまえば夏央のやつにふられたからだ。それもこっぴどくな」  それは僕も初耳だった。
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