容疑者 諫早周平

2/5
前へ
/138ページ
次へ
「で、この老人は事件のどこに関係があるんだ?」  なんとかして刑事を説得しなくては。あの島での事件はあまりにも変わっていたので、警察内で知らない人はいないはずだ。 「警察は今回の事件で、犯人の特定に困っているんじゃありませんか? この方は以前、とある島での事件を解決しました」  僕はその時の事件について、かいつまんで説明した。刑事は疑った目で喜八郎さんを見る。半信半疑に違いない。 「『百聞は一見に如かず』ですから、まずは現場を見せてはいかがでしょうか」 「あの事件のことは知ってるが、今回は解決できるとは思えん。しょうがない、現場を見せてやる。尻尾を巻いて逃げるのがオチだろうがな」  刑事は嘲笑しつつ、事件の起きた現場へと僕たちを案内した。
/138ページ

最初のコメントを投稿しよう!

66人が本棚に入れています
本棚に追加