28 学園での逢瀬

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28 学園での逢瀬

 学園にあるという殿下の私室に案内された。ダイスは持っていた本を机に置くと、お茶を入れてくれる。そうか、騎士兼従者という、なんでもこなせる男は違うな。動きが華麗だよ。 「あ、ありがとうございます」 「どういたしまして、じゃあ俺は出てるから殿下と仲良くしてあげてね」 「ええ!?」  俺、ここに何しにきたの? いっちゃうの? 殿下怒ってるのに、それを俺が対応するのでしょうか。 「俺も混ざった方がいい?」 「……ダイス」  ダイスは面白そうに話してくると、俺の目の前に座っている殿下が華麗にお茶を飲みながら一言。それでダイスは「失礼します」と下がってしまった。  俺は気まずいながらも、目の前の茶を飲んだ。いったい俺は、ここで、何をしているのでしょうか。 「シン」 「はい!」 「元気がいいね」  殿下が笑った。 「シン、学園ではなかなか時間が取れなくてごめんね。二人きりでゆっくり会いたかった」 「……いえ、お構いなく?」 「冷たいね。シンは私に会いたくなかったの?」 「えっと、あの」 「固いな」 「え?」  殿下が席を立って、俺の隣に座った。そして俺の頬を触る。 「あっ」 「やっぱり私たちはこれくらいの距離がいいね。シンは触るとすぐに体温が上がっていい香りがしてくる。とても可愛いよ」 「んん、あの」  殿下がさわさわと触るから、なんだかむず痒い。 「なに? ねぇ、キスしていい?」 「えっ、あ、はい」  そうか、殿下はムラムラして、俺で処理をしようとしていたのか。俺はお呼びじゃないと思っていたが、学園でムラムラしたらフィオナはいないから俺でしか発散できない。そういうサブ的要因なんだな。俺はもしかしたら学園専用閨係なのかもしれない。だから後宮では俺を抱かないのか。妙に納得した。  殿下がキスをしていいかと聞くが、俺に断る理由がなかった。というか断る権利もないので、殿下が性的なことをしたいというのなら、無条件に俺を差し出すだけだ。 「ずっとシンに触れたいと思っていたのに、この手は私じゃない男ばかりを触れている」 「あっ、んん、くすぐったい……です」 「シンは指先も感じるんだね」  殿下はキスするって、手にするって意味だったのか。手を取られて指先やら甲やらに唇をおとされて、エロイことなんてしていないのに、官能的な気分になってしまう。 「シン、可愛い。好きだよ」 「えっ、んん」  殿下は俺を見つめてから、甘い言葉を言って、キスをした。なんか今、すげぇことを言われた気がしたけど、これは、あれだ。閨に入る合図の言葉か何か? とにかく殿下のキスはいつもとても気持ちが良くて、男らしいアルファの香りが体に入り込むと、俺の思考が停止する。何も考えられない……とても気持ちいい。 「ふはっ、はっ、ちゅ」 「シン、んん、可愛い、可愛い」 「はっ、で、でんかぁ」  口づけは止まることなく、お互いの唾液が混ざり合う。途中に零れる吐息も吸われる。舌が俺を逃がさない。殿下に頬をさすられ口内は自由にされる。俺はされるままだけど、快楽がどんどんと膨れていく。自然に俺の男の部分が主張してきた。すぐにいつも感じてしまう。 「シン、とてもいやらしい顔をしているね」 「だって、殿下がぁ、あん」  殿下はズボンの上から俺の膨らみをさすった。息があがる。殿下は俺を見つめて一言。 「いい?」 「……はい」  いいって、ヤッテいいってことだろう、もちろんオッケーだよ。そのための存在だから。ついに来た! 四回目にして初めての交わり。これで俺も仕事をしたと胸を張って言えるだろう。  よし! こい!
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