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考えがあります、そう自信ありげに言った私。
しかし、小説家が考える秘策など、『文』くらいのもの。
それでも、その文で身を立ててきたという自負はある。
「手紙を書きましょう。おばあさんの想いを、隠すことなくストレートに。面と向かったら照れや意地で話せないことも、文字に乗せれば綺麗に伝わるものです。」
しかし、おばあさんは苦笑いを浮かべた。
「でも私……先生のように素敵な文なんて書けないし、きっと見苦しくなっちゃんじゃないかしら?」
「心を文字に乗せれば、それでいいんです。きっと私たち小説家よりも、心のこもった良い手紙が書けるはずです。見た目のカタチじゃなくていいんです。想いのカタチが大切なんです。」
「分かりました。書きます。」
おばあさんはそう言うと、真剣に手紙を書き始めた。
書き終わるまで、3時間。
私は最後まで、おばあさんが書き終わるまでを見届けた。
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