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雨が降っていた。
その日は私に取ってなんてことの無いただの一日。
「なぁ、凜人。なんで雨ってこんなに憂鬱になるんだろうな。」
「、、、」
返事はない。だが、それを当たり前かのように1人私は喋る。
「でも、そんなのでも当たり前じゃないこともある。人が生きることとか。」
「、、、」
已然、返事は無い。だが、そんなのお構い無しに私は独り言を続ける。
「人も死ぬ事が当たり前、、、さて、そろそろ予報では晴れるらしいからね。さて、始めようか。」
そして、私はあなたに向き合うと、あなたを持ち上げ、学校の屋上から突き落とす。
グシャ
そんな音が、屋上からでも聞こえた。
「あはは。」
私は笑う。そして、、、、、、泣く。
「全て君が悪いんだ。君のせいで、、、“彼女”は死んだんだから。」
私は落としたあなたを見て青ざめた。
かなりの高さから落としたのに関わらず、あなたは先程の言葉を嘲笑うかのように遠くから見てもわかるような薄気味悪い笑みを浮かべていたから。
『あはは、次は君かもね。悠太。』
ふとそう聞こえた。ただの幻聴かもしれない。だけど、あの薄気味悪い笑みを見て、少し、私も同じなのではと思ってしまった。
そして、顔を見上げると先程まで暗かった気持ちも彼を殺ったことで少し晴れ、気が付けば雨も上がっていた。
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