幼馴染が恋人

9/10

78人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
「こっちもほぐれたな」 「っん……」  うしろに入ったままの指をかき混ぜるように動かされ、達したばかりで敏感な身体が大きく跳ねた。それを楽しむように何度か指を抜き差しされ、またも昂ぶりは先端をもたげはじめた。腰が重い。 「も……無理」 「弱音珍しいな」 「まじで無理……。気持ちよすぎて飛びそう」 「じゃあ次は一緒にいこうな」  頬や額にキスをもらい、羞恥でしぼんでいた心が少しもとに戻る。脚の間に身体を入れた陽明を見たら、また緊張した。  陽明の下腹部を見ると、熱量を増したものがしっかり角度を変えている。これは入らないだろう、と怖気づいた。 「無理……そんなの入んない」 「無理ならやめるから」 「ん……」  なだめるような口づけに甘やかされ、とろんと思考が蕩けていく。優斗の力が抜けたのを見て、熱く重たいものが押し入ってきた。  窄まりを開きながら奥へと進む苦しさに、思わず眉をひそめる。本当に入るのか不安になり、陽明の目をじっと見た。目が合い、その表情の色っぽさに思わずため息が出た。 「痛いか?」 「変な感じだ」  優斗の中に陽明が入ってきている。それは不思議すぎて、夢ではないかと思うほど現実味がなかった。 「全部入りそう?」 「全部は厳しいかも」 「まじか。力抜けばいい?」  頬を紅潮させて優斗を見つめる視線があまりに熱く絡みつくので、思わず顔を背けていた。こちらを見ろ、と言うように頬にキスが落ちてくる。耳殻を舌でなぞられ、ぞわぞわと肌が粟立ち、腰の奥に情欲が生まれた。中の陽明を意識してしまい、恥ずかしくなる。  陽明が動きを止め、大きく息を吐き出した。軽く腰を揺らされ、甘い快感の虜になる。 「あっ……ああ、あっ」 「優斗……」  熱い声でささやかれたら、自分の名前がいつもと違う響きを持つ。余裕のない瞳が熱を宿していて、思わず小さく身震いした。  腰を軽く揺らめかした陽明は、また重く息をつく。 「優斗の中、すげえ気持ちいい」 「俺も……気持ちいい」  もっとつらいかと思ったが、陽明の準備が丁寧だったからか、快感ばかり引き起こされる。戸惑うほど強い感覚を知りながら、陽明に抱かれていることを実感した。  不意に脇腹を撫でられ、身体が跳ねあがった。揺さぶりながら脇腹や胸の尖りを撫でられると、せつないほどに腰の奥が疼いてたまらない。 「だめ、よすぎる」 「まじで? 嬉しい」  言葉のまま、幸せそうに微笑む陽明のうなじに手をまわして顔を引き寄せる。優斗から唇を重ねて、挑むように拙いながらも舌を絡めた。主導権は優斗にあったはずなのに、すぐにそれは奪われた。吐息まで食い尽くすように大きい舌が口内で暴れる。 「んぁ……ふ、っ」 「優斗」  キスの合間に、びっくりするほど甘い声を零す陽明が愛おしい。唇を解放した陽明は、優斗の胸の色づきを乳暈ごと口に含み、軽く歯を立てた。 「ひあっ」  胸への刺激と同時に奥を狙って動かれて、自分でも信じられないくらい甘えた声が出た。もっと聞かせろ、とばかりに内奥に狙いを定められ、抉るように貫かれて頭の奥が痺れる。陽明の動きに合わせて腰が揺れ、優斗自らも快感を集めにいく。 「陽明、待って」 「待てるわけねえだろ」 「あ、あぅ……んっ」  身体を起こして優斗の腰を掴んだ陽明が、大きく腰を揺らす。目の前が点滅するような気持ちよさが怖くもなる。両手を伸ばして陽明の肩に抱きついた。 「陽明……陽明……っ」  夢中で名前を呼び、穿たれる衝撃に翻弄される。優斗が声を抑えられなくなるところを狙われて、あまりの快感に身を捩って逃げようとするが叶わない。徐々にせりあがってくる熱が腰を重くする。 「だめ、いきそ……いく……」 「俺も」 「いく、いっちゃ……っ」  限界の近いことがわかる動きに、優斗は快感の波に攫われるようにせつなく喘いだ。下腹部の一番深いところから熱い飛沫が込みあげ、腹を白濁で汚した。最奥を探った陽明も小さく胴震いし、優斗の内側で果てるのを感じる。 「優斗……」  そんなに甘い声で呼ばれたら溶けてしまう。啄むようなキスに胸が疼き、陽明が大切だ、と感じる。こんなに愛おしい男がずっとそばにいたなんて信じられない。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

78人が本棚に入れています
本棚に追加