安楽城らら

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「それぐらいなら、大丈夫だと思います」 「オッケー。詳しいことはそのパッド中のマニュアルを見て。スマホは渡されへんけど、そのパッドは私物として個人的にこれから使ってええから。あぁ、履歴とかプライベートのことまで関与せぇへんから」 「……なんだか、至れり尽せりですね」 「魂に言うこと聞いて貰うには、肉体と精神を生きている間から調教しとく方がええから」 ──調教ときた。 なんでもないように、さらっとした返事。裏表がない人なんだろうかと思った。 「で、慣れたら少し霊力を付けて欲しいから滝行とか。少し山に籠って貰って修行して貰う。その後は刺青させて貰うからよろしく」 次は修行。 なんだか予定が決まっていて、忙しそうだと思った。それも別にいいとして。 「刺青ですか」 これには、少し言葉を返してしまった。 「そ、胸に入れさせて貰う。言うても、こんなふうに入れようとは思ってないから」 そう言うと、ばっと青蓮寺さんは自分の着物の胸元をぐいっと引っ張った。
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