安楽城らら

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喉が渇いた。 眠りながらも、意識が訴えてきた。 無視するには口の中のパサつきを不愉快に感じて、素直にうんっと。ゆっくりと起き上がると部屋は真っ暗。 「あ。やってしまった」 爆睡したと思った。 ガバッと起きて、パッドの画面を見ると二十四時を回っていた。暗闇の中。パッドのライトで目がシパシパする。 青蓮寺さんのいい付け通りに二十四時を過ぎていたのでまた、寝なくては行けないと思ったけど。 日付が変わり。さっそく朝からご飯の準備をしなくては行けない。パッドのマニュアルも確認しておきたい。それに、ちょっとキッチンを詳しく見ておきたい。 「あと、少しお腹減ったし、喉乾いたし。お風呂入りたいし……」 と思い。部屋をこっそりと出ると、廊下はフットライトの明かりのみで。人の気配は無かった。 「あ、そっか。青蓮寺さんは出掛けているんだっけか」 ほっとして、悪いとは思いながらキッチンに向かう。 この家はどうやら、反応センサー付きのライトのようで。 リビングに戻ると勝手に明かりが付いた。 それに少々驚きながらも、よく手入れが行き届いたプロが使うような広いキッチンに近寄る。 「えっーと、コンロはIH式で、食材洗浄機も備えてある。電子レンジ、オーブン、炊飯器もある」 キッチンをつぶさに見ると、キッチン道具もよく手入れが行き届き。どれも清潔で持ち主が綺麗好きだと良く分かった。 「ってか、この調理器具とか。ほぼ最新式じゃない。凄いな」 そのまま、失礼しますと。 後ろにある大きな冷蔵庫を開くと、シューズクローク同様にキッチリと食材や調味料が揃っていた。 「あ、中も凄い。これだったら一汁三菜すぐに出来そう」 ふんふんと朝に作る献立や、食器の位置を確認にしてから。キッキンの端にあったバゲットを貰い。 そのまま適当千切って、オリーブオイルと塩を付けて水で胃に流し込んだ。 私が食べる分には正直、これで十分。 「よし、後はさっとシャワーを浴びさせて貰おう」 サクサクと部屋に戻り、お風呂場に向かった。
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