4. 神の怒り

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 豪雨の中開会の儀が終わると、12部落それぞれの小学生の女子や女性達による小踊りが披露される。  赤に手鞠模様、緑に木蓮、黄に白菊、水色に桜等部落ごとに鮮やかな着物を纏った、多い場所で100人以上の女達とその娘達が順番に校庭の真ん中に10人1列で並び、三度笠や渦巻き模様の傘を使った傘踊り、二本の太鼓バチを使った踊り、櫂という船を漕ぐ道具を使って踊る櫂踊りや、他にも鳴子や桃の造花等多様な道具を使い部落ごとの伝統舞踊を披露した。この日のため時間をかけ着付けした着物も濡れ、整えた髪は雨で乱れていた。化粧も流れ誰もが目と眉からは黒い血を、口からは赤い血を流している様でありながら、必死に笑顔を絶やさず踊る様子は壮絶で不気味ですらあった。  CDから流れる囃子に合わせ、女子高生と成人の若い女性数人が後ろで太鼓の音を響かせる。途中踊り子が倒れたが祭りは続行された。  
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