僕は魔法使い見習い

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「蓮、最近魔法を使ったのはいつだ?」 「いつかって言われても……。一年くらい前かな」 「一年前か」お父さんがため息をつく。 「それがどうかしたの?」 「蓮、我が家に伝わる魔法は一年以上使わないと魔力が失われるんだ」 「それ、本当!? そんな話、初めて聞いた」 「蓮、人の言うことはちゃんと聞きなさいと言っているだろう。聞き流してはだめだぞ」  どうやら、お父さんは話していたつもりらしい。僕が聞いてなかったことになったが、そんなことはどうでもいい。 「でも、魔法は自由に使えないじゃないか。どうやって使えっていうの?」 「蓮、まさか条件を満たすのが難しいというのか? 簡単じゃあないか。人の役に立つことなんて」  そう。我が家の魔法は人の役に立つことでしか使えない。不便すぎる。 「まあ、もうすぐ一年経つんだ。魔法を使わないと魔力がなくなるんだ。条件を満たすのが大変だというなら、蓮はそこまでということになる」  僕は急に難題をつきつけられた。人の役に立つために魔法を使うという難題を。
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