僕は魔法使い見習い

1/2

1人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ

僕は魔法使い見習い

 僕は頭が悪い。学校のテストの順位は、下から数えた方が早いくらいだ。  この前は国語の小テストで36点を取ってしまった。お母さんに見せるわけにもいかないから、バレないように捨てた。テストの存在自体を知らなければ、問題あるまい。  しかし、テストがあったことがバレてしまった。友達のお母さんから聞いたらしい。これだから、お母さんたちの井戸端会議は嫌いなんだ。 「(れん)、話があるから、こっちに来なさい」  唐突だった。お父さんから呼び出しをくらったのは。どうせ、「もっと勉強しなさい」という内容だろう。お母さんから口うるさく言われたから、もうお説教なんてごめんだ。 「そこに座りなさい」  お父さんに指示されるがままイスに座る。 「前置きをするのは嫌いだから、結論から言おう」 「分かってるって! 勉強すればいいんでしょ!」二回も叱られたら、たまったものじゃない。 「蓮、人の話は最後まで聞いてから喋りなさい。まあ、確かに勉強を頑張るのは大事だ。でも、今回の話は違う」お父さんの表情がより深刻なものに変わる。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加