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私は飛んだ。
脚の小さな筒の中の手紙を・・・あの遥か向こうで待つ、オバサンの家まで・・・!!
私は飛んだ。
小さな脳裏のGPSに記された、オバサンの家までの経路を辿って。
カンカン照りの暑い日も、
冷たい風が吹きすさぶ過酷な日も、
雨が振り続ける中をくぐり抜け、
時に、天敵の猛禽類やカラスに追いかけられて、
向こうのオバサンの家に、この大事な手紙を届けたい!!
この命に代えても!!
これが伝書鳩の使命!!
届けたい!!この手紙を!!如何なることがあろうも!!
何処までも、何処までも、何処までも、何処までも・・・
見えた!!
あの街だ!!
もう一踏ん張りだ!!
私は遂に、あのオバサンが住む街にやって来た。
私は探しまくる。オバサンの家を。
何処だ?何処だ?
ここだ!!
着いた!!遂に行き先のオバサンの家に着いたぞ!!
「裕太郎のポルコ号ね。よく来たね。手紙ちゃんと受け取ったわ。
この巣箱で暫くお休み。
手紙ねぇ・・・どれどれ?
『お中元は、水ようかんにしてね。』
って・・・?!」
〜届けたい伝書鳩〜
〜fin〜
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