愛しい姫

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愛しい姫

「エルヴィス、あなたの好きな薔薇よ! 今日は誕生日でしょう?プレゼントするわ!」 そう言って花が咲くように笑う彼女は とても綺麗だった。 花が好きなオリヴィアは毎回エルヴィスの誕生日に 様々な種類の花をプレゼントしてくれた。 「ありがとう、オリヴィア」 現在18才のオリヴィアは最初8歳の子供だった。 屋敷に迷い込んできたオリヴィアを 保護したのが始まりだった。 両親は火災で死に、孤児院も燃えてしまったと エルヴィスに縋るオリヴィアを放っておけなかった。 それからはエルヴィスは吸血しないことを決意し、 オリヴィアを 娘のようにして育ててきた。 しかし、オリヴィアは年頃の娘になっていき エルヴィスは父が持ってはいけない特別な感情を 持つようになった。 「エルヴィス、こんなこといけないって わかってる。だけど貴方が好きなの」 自分と同じ気持ちだったと知ったエルヴィスは オリヴィアを抱きしめた。 「わたしもオリヴィアが好きだ」 満月の光が黒い屋敷に差し込んでいた。
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