転校生

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「紫陽花きれい、素敵なお庭ね」 久しぶりに会った麻里絵は少し大人になっていた。 学生時代のボブカットとは違い、肩あたりまで伸びた髪が可愛いらしい少女を美しい女性へと変身させていた。 しばらく2人の間に沈黙が流れる。 紫陽花の葉にあたり、跳ね返る雫の音を聞いていると、よく2人で乗ったバスの風景を思い出した。 「ねぇ、バスの風景を思い出さない?」 と横を見ると、もうそこに麻里絵の姿はなかった。
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