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梅雨が明けたと天気予報で言っていた。
それまでのどんよりとした空とは打ってかわって空は青くて澄んでいる。
そんな日に麻里絵は現れた。
「東京の三鷹市から来ました。鞠田麻里絵です。宜しくお願いします」
その、都会から田舎にやって来た転校生は、あっという間に学年の噂の的になった。
「鞠田さんって可愛い名前だよね」
「名前にマリが2つもある!」
「ねぇ、マリマリって呼んでいい?」
「マリマリ可愛い!私も呼びたい!」
麻里絵の周りを連日女子が取り囲み、まるで花に集まる蝶々のように教室の中でそこだけが華やかな雰囲気を醸し出していた。
私は元来人見知りで、麻里絵とはあまり積極的に話してはいなかったが、偶然日直当番を一緒になる日があり、放課後、日直簿を担任に提出しなければならなかった。
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