届け、この夢。

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 小説家になりたい、という夢を持ったのは小学四年生の頃。  年間三百冊を読んで賞状を貰い、両親やクラスメイトに褒めてもらうことがとても誇らしかった。  図書館に通って絵本を多く借りていて、小学四年生になったら小説を読むことも多くなった。  ある小説を友達に教えてもらい、私の心はお花畑のように明るくなった。  それから恋愛や余命もの、ファンタジーやミステリーなど多くの小説を読むのが日課になった。  恋愛では胸がときめくものばかりで、自分もこういう恋がしたいと感じた。  余命ものでは命や今の時間を大切にしよう、と心から思えた。  小説は読者に新しい感情だけでなく、当たり前だと思っていたものは当たり前ではない、大切なものだと再認識させることができる。  本当に小説はすごいものだと思う。  そして、私はノートに小説を書いてみることにした。  ずっと書いているのは疲れるし手が真っ黒になるしで、こんなに大変だとは思わなかった。  だけど手を止めることはなかった。自分で物語を想像して書くということが、ものすごく楽しかったから。  小学五年生で初めて応募した小説賞では、一次審査を突破することができた。驚きのあまりスマートフォンを投げてしまったことは脳裏に焼き付いている。  ――この小説家さんのように、私も自分の小説で多くの人に楽しんでもらいたい。  ――もし趣味がなく退屈な毎日を過ごしている人がいたら、私の小説を読んで「読書」という趣味を増やせたら嬉しい。  ――小説家になって、私の本を届けたい。  そう、強く思った。  アンソロジーでも、単著でも。一歩ずつ努力して、書籍化するという夢を叶えたい。  小説家になって、私の本を届けたい。
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