骨と仮面

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骨と仮面

 あれから何がどうなったのか覚えてない。気付いたときには真っ暗の部屋の中。フカフカで柔らかいベットの上で寝ていた。うっすらと目を開けると、見覚えのある顔が隣に白いYシャツと黒いスラックス姿の和真。寝息を発てて気持ち良さそうに寝ている。ゆっくり体を起こすと見覚えのない部屋。  白と黒のモノクロの家具。  曰く付きのマンションにはないダブルベット。  ここは多分、和真の部屋だ。 「んっ……んん」  ぐっと大きく背伸びをすると、隣で寝ていた和真の頬を右手で突っつく。 「やめろ」 「つんつん…」 「なんだ? 寝させろ」 「つんつんつん。僕、帰る……」 「ダメだ」 「なんで?」 「服」 「服?」  無意識に服に触れると左側は良しとして、右側がだらしなくダラリと服が垂れ下がっていた。首から足先まで所々骨が――。 「エッチ」 「はぁ? 目のやり所が困るんだよ。俺のお下がりでもいいなら、着させてやってもいいが少し待ってろ」  寝ぼけながらベットから起き上がる和真。大きな欠伸をするやクローゼットへ。 「そうだなぁ。黒か白のハイネック。スラックスも俺のじゃデカイだろう。ワンランク小さいのあったっけなぁ。サスペンダー使ったことあるか? 俺、嫌いだからやるよ。あとはジャケットも小さいのな」  ガサガサと漁りながら、着れそうなモノをベットに投げ飛ばす。 「お前より身長高いから。5センチぐらい違うのか? 長かったら、裾折るなり好きにしろよ」 「うん。ありがと」  一着一着慎重に手に取っては、じっくり見つめる人体模型。どうやら見慣れない服に警戒しているようだ。 「んなで、ビビってどうする」 「見たことない服だから。ハイネック? ってヤツ」 「首元を隠すのには丁度いいだろ。それにサスペンダーならズボンもズレ落ちない。今までベルトや腕捲って引っ掛けて履いてたんだろうが少しは楽になるはず」
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