オフ会

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オフ会

 軽くシャワーを浴び、上半身裸で黒いスラックス姿の和真。タオルで髪の毛を拭きながら、ペットボトルの水をがぶ飲み。冷蔵庫を漁り、買い置きしていた高菜のおにぎりを頬張る。  三口ほどで食べ終わり、ソファーにかけていた白いYシャツとジャケットを手にしては洗面台へ。ドライヤーで髪を乾かし、歯を磨く。最後に服を……。 「ん、ネクタイがない」  袖口のボタンを閉めながら、人体模型の所へ。「ニシシッこれなぁに?」とスマホを弄りながら、ネクタイを頭の上に乗せている。「ネクタイだ。返せ」と手を差し出すと「はい、返す」とすぐに返す。背を向け、ネクタイを結ぶ。  すると、今度は「これ、なぁに?」スマホ片手に新聞を開いている人体模型。テレビ欄を見ては、地域や時事など目を通す。しかし、文字があまり読めないらしく、難しい表情をしていた。 「それ新聞。知らないのか? 日頃の事件や事故など書かれている紙だ」 「ふぇー字が読めない」 「何を読んでる?」 「んーとね。『指名手配犯タイホ……イミフメイナ供述ノベル?』この後が読めない」  片言でどうにか見出しを読むものの、これ以上先が読めないらしい。 「ちょっと貸せ。逃亡した指名手配犯。真夜中に気絶しているところを逮捕された。 『骸骨が……化け物が……』と意味不明な供述を述べ、『今まで殺人を犯したことに謝罪をしたい』と犯行を認めている。児童殺害、誘拐と何度も繰り返し、否認をしていたが別人のようだ。喰ったやつか」
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