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⚠️WARNING②⚠️
そして落ち着かせようとでもしているかのように、腕を絡ませた奈嗣の腕を反対の手で撫でた。
「…何も飲まなくて良い?もう飲んできた?」
突然呼び出した律子を気遣い、奈嗣は声を掛ける。
二人は互いの事情を熟知している仲だ。
律子は奈嗣の全てを知る、数少ない人の一人だ。
身内では無い事を含めば、唯一とも言えた。
多分、彼女の男である『名誉会長』は知っているであろうが、それは律子からの伝聞であり、奈嗣が告げた訳では無かった。
「うん。あの人と飲んでいたの。」
「…そっか。見送られて来た訳か。」
奈嗣の言葉に、律子は「ふふっ」と小さく笑う。
破られたくないと言ったこの服は、きっと『名誉会長』から贈られた物だろう。
そして律子は、この服を汚される事を望んでいる。
『名誉会長』の性癖を、律子は熟知しているからだ。
「後藤会長も、相変わらずお元気そうだ。」
奈嗣の言葉に、律子は頷く。
律子の男でもある、後藤名誉会長は御歳72歳。
律子曰く、中々勃起しないのが悩みの種だそうだ。
正直、年齢を鑑みれば『勃つだけマシ』とも思えるが、男としては何時までも『現役』でいたいという所か。
そんな後藤会長には、困った性癖がある。
『寝取られ願望』だ。
この『寝取られ願望』のせいで、妻の浮気を見守ってしまい、遂には別居に至ってしまった。
しかし浮気に関しては、お互い様な部分もあるので仕方ないのだろう。
現在は別居し、互いに自由に過ごしている様だ。
奈嗣が後藤会長からこんな話を聞かされた時は、流石にどんな顔をすれば良いのやらと考え込んでしまった。
そう。
つまり、律子の『浮気』は公認なのだ。
律子をよろしく頼むと、わざわざ『顔合わせ』すら行われた。
後藤会長が時間を取って、律子の浮気相手である奈嗣に会おうとするくらいだ。
後藤会長は律子を大事にしている。
そして律子も、後藤会長が満足出来るように、奈嗣の呼び出しには応じる。
後藤会長が『合格』と認めた奈嗣だからこそ、律子は奈嗣の呼び出しに応じるのだ。
『奈嗣に抱かれた律子を見て、普段無いくらいに興奮する』らしい後藤会長と共に過ごしていた律子に、今日も奈嗣は連絡を入れたという事だ。
律子と会長も、もしかすると奈嗣から連絡が入るかもしれないと思っていたのだ。
今日は、奈嗣の『月に一度の食事の日』だからだ。
後藤会長は、見送った律子を再び呼び戻し、そして抱く。
大抵、高確率で抱く事が出来るらしい。
筋金入りの、困った性癖である。
二人はベッドルームに辿り着くと、着の身着のままベッドに上がる。
「前々から思っていたんだが、そんなに服汚れる事無いよね?ぶっ掛けた方が良いの?」
律子にキスをしながら、いつもの自分を少し取り戻した奈嗣は言う。
そんな奈嗣の言葉に、律子は声を上げて笑った。
「やだぁ!!帰れなくなるじゃない、そんなの〜。あの人は喜ぶかもしれないけど〜」
そう答えられ、確かにそうかと奈嗣も思う。
何なら、最悪『レイプ』されたと誤解されそうだ。
「…少し濡れてる所があったり、自分や私のじゃない体臭が移っていたり…それを探るのが好きなのよ。」
奈嗣の唇がデコルテに触れるのを感じながら、律子は言う。
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