腹黒女子に恋

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その日の帰り道。 「はは。目超腫れてるよ」  悪戯っぽく笑いながら村西は笑った。そういう村西の目もパンパンに腫れている。  俺たちは、結局、5限もその後の6限もサボってしまった。 「明日、美羽に謝るよ。それで、もう一度友達に戻れたらいいな」 「いいと思うよ。神田も分かってくれるよ」  月並みなことしか言えないが、本心だった。俺たち3人はずっと友達で居続けるんだろうなと思う。俺たちが出会ってから数年間多少の気持ちの変化はあったが、それでも一応友達という関係性は変わらなかった。それは、とても居心地のいいものだったし、これからも変わらない居場所であってほしいと思っている。何より、村西も神田も、そう思っているという自信があった。 「ねぇ、アイスクリーム食べに行かない?」  村西が髪のリボンを解きながら聞いた。 「うん。行こう」  俺は答えた。
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