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あまりの恐怖から何も考えられずに、逃げるように家へと飛び込む。 家中の明かりを全部つけて、室内に誰もいないのを確かめる。 戸締まりも何度も何度も確認して、毛布にくるまって震えていた。  うつらうつらと眠りそうになる度に、何とか意識を取り戻す。風が吹いて戸口が揺れる音がするたびに、怯えてしまう。 暗闇が怖くて、明るくなる朝が待ち遠しかった。 ようやく朝になると、窓から外の様子をこっそりと窺った。 念入りに見渡してみたけれど、怪しい人物どころか、誰もいなかった。 一体何故あんな事が起こったのか分からない。 何事もなく時が過ぎるにつれて、もしかしたら、これは、ゲームの強制能力なのかもしれないと考えるようになった。 ヒロインが来るまで、私はここにいなければいけない存在なのだ。 だから、きっと、それまで死ぬこともないはず。 パンも届けてくれるのかもしれない。 と、現状を受け入れて、大人しく過ごすことにした。
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