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君の頬に涙が伝った。
「泣かないで」
口には出せなかったけれど、君の頬に触れながら、コツンとおでこにおでこをぶつけた。
君はますます泣いてしまって、体温があがる。
あの日のことを思い出すと、今でも涙が溢れそうになり、今、君は何をしているのだろうと思う。
真っ暗だった。視界が真っ黒で、君の息遣いと体温だけが頼りだった。声を出してはいけない空間にこっそり隠れていた。
ドキドキした。
最初は心臓の音だけが聞こえそうだったのに、それがいつの間にか君の体温だけになっていた。
目を閉じる。
真っ暗な世界が広がる。不意に君がわたしに触れる。
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