チャリ話と父ちゃんと

1/3
前へ
/11ページ
次へ

チャリ話と父ちゃんと

毎日暑い。 溶けそう。 暑いけど俺は、ダイエットのためそして健康のためにも、夏休みは早起きしてサイクリングに行くことを決行していた。 朝にチャリで走るの最高ー! 三日坊主とは言わせねぇよ?!ってノリで爆走してたら、前のカゴを留めてあったねじがいつのまにか外れてライトがなくなって、カゴがガコンガコンになって、ライトの配線が切れて引っかかって、そんで要修理にまでなってしもたんやけど。 中学生やし目標持って頑張る!って実行してると、ほんま邪魔が入んのよな。 たしかに俺の運転は荒いかもしらんけど、ぶっちゃけ道路の凸凹ぶりがパないのが悪いんやん。 そんなん言い出したら、苦情の先はほんま市役所であるべきやと思うねん。 父ちゃんいわく、「乗る前の点検が出来とらへんのが悪い。 普通、ねじ緩んどったら気づくやろ」やそうな。 そんな無茶な。 でもそんなチャリもなんとか復旧してもろた事やし、俺は今日も走りに行った。 しかし俺は持っていくお茶の量をケチってしまって、帰ってきて早々に台所の冷たい床に倒れ込むように伏せてた。 冷たくて気持ちい……って思ってんのに、階下のじいが「咲さん、おんのか! 和真倒れとる! 見たってくれ」って叫ぶからややこしいことになった。 後のことは恥ずかしいから省略する。 なのにこの母ちゃん、 「倒れるんやったら、やっぱダイイングメッセージとかいるよなぁ」 とか訳分からんことをほざいてた。 ま、無事やったから言える台詞やけど。 母ちゃんいわく、倒れてるより、地面にへばりついてるように見えたらしい。 相変わらずひどいな、この母ちゃん……
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加