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「「アカギカナデ」」
ハモった答えに私は目を丸くした。彼もまたキョトンとした表情で私を見つめていた。
「…名前同じなの?」
「そんな偶然あるのか…。」
彼は嬉しいのか微笑んだが、私は何か変な考えが頭に浮かんだ。
「…ねぇ、誕生日は?」
「3月だよ。3月13日。」
私は彼の答えを聞いてそっと彼から離れた。
「ど、どうしたの?」
「…血液型はB型?」
「あぁそうだよ。そんな分かりやすかった?B型ってあんまり良いイメージ持たれなくてさ、ハハハ。」
「…違う。…一緒なの。」
「ん?一緒って?」
彼はまだ理解していなかった。
「私はアカギカナデ、3月13日生まれのB型、24歳。」
「…馬鹿な、全く一緒って…。」
「そうか、そういうことだったんだ。あなたのことを何一つ知ってはいけないって思ったのはこれだったのか。」
私の言葉を聞いて彼も漸く気が付き、顔をしかめた。
「…パラレルワールド。同じ時間軸でありながら別の世界、つまり君は僕が女性として生まれていたら…というパラレルワールドから来たのか?」
彼の考えに私は同意した。
彼はベッドから立ち上がるとソファに座り頭を掻いて溜め息をついた。
「違う世界の『自分』に恋をしていたってことか。…何のために…、誰が何のために君をこの世界に越させたんだ。」
「…私はあなたと…こっちの世界の私と会う必要があったのかな。ねぇ…。」
私は彼の横に腰掛けた。
「この街のこと、この国のことを教えて。」
「あんまり動揺してなさそうだな。」
彼は笑いながら言って続けた。
「僕が住むこの国は一度滅んだんだ。嘗ては『ジャポネ』と呼ばれていたんだけど、今は色んな国がこの国の領土を奪い合っている。この街は平和なもんだ。まだ侵略が起きてないからね。」
想像以上の答えに私は言葉を失った。
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