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「どうしてそんなことを」 「あの日、触れた時、痛がっていただろう。それで私はひどい失敗をしたと思い、頭が真っ白になった」 「! あれは、単に恥ずかしかっただけで……」  イズは自分の頬を両手で押さえ、うつむいた。 (痛がっているように見えるほど、ひどい顔をしていた……ってこと?)  イズにとって地味にショックだった。衝撃度としてはさほどではないが、じわじわと効いてくる。 「恥ずかしい? 何故だ」  意地悪や悪気があってではなく、本当に理由がわからないといった様子でラーファは尋ねた。 「……く、くちづけも、何もかも……は、初めてだったんです……。恥ずかしいに決まっているじゃありませんか……!」  イズはラーファの胸板に額を押し付け、震える声で答える。  首から上が馬鹿みたいに熱い。どうしてこんなことを言わされているのか、イズは泣きたくなった。
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