7 ★

1/6
前へ
/37ページ
次へ

7 ★

 ラーファからの返事はくちづけだった。  押し付けるように唇をあてがわれ、イズは驚きでわずかに口を開いてしまう。その隙間から温度の違う舌が入りこみ、イズの舌先をつつく。 「ぁ……ぅ、んっ……」  擦れ合う舌の感触と、頭の内側に響く水音に、イズの頭から作法がすべて吹き飛んでしまった。それでもどうにか応じようと、ぎこちなく舌を重ねる。  前の時よりも荒っぽく、二人の身体はベッドに倒れ込んだ。 「あまり卑下するようなことは言いたくないんだが、イヌ科の獣人はわりと理性を飛ばしやすいんだ。だから今まで寝室にも来られなかった」  息を乱しながら言うラーファの声は、いつもより甘くかすれている。  ラーファが服を脱ぎ捨てる音が、いやに大きくイズには聞こえた。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

69人が本棚に入れています
本棚に追加