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「無礼を承知で申しあげます。エスト辺境伯ラーファ・ダルク・エスト様、どうかわたくしと……離縁、してください」  たかが貴族令嬢風情が、辺境伯である夫に離婚を切り出すなどありえないことだとわかっている。 「侍女だけでなく、従者とも……その、屋外でいかがわしいことをするなんて、あんまりです……!」  それでもイズには、言葉も涙も止められなかった。
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