cielo blu

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 働くなら何時間でも働く、休みはしっかり休む、が私の信条だったので、私の休日は日曜だけだった。半休などという時間は私には必要なかった。一度入ったスイッチをせっかくなら切らさずに、稼ぎたかった。できるならなるべく貯金がしたいのだ。    仕事を辞めざるを得ないほど心が病んだとき、私は一年ほどをほとんど無職で過ごすことになった。そのときの不安と言ったらなかった。それからも不定期的に仕事ができなくなる身体になったので、周りからの勧めで私は障害者手帳を持ち、障害年金を受給するまでに至った。そういうのをすべて理解してくれている今の職場には頭が上がらない。お陰で私は今こうして生きていられるのだという自覚があった。年金受給はつい最近の話で、恥ずかしい話だが一人暮らしでもう四十になるというのに親に援助してもらっていた時期もあったのだ。やっと、一人でも生きられるようになった。この十年は私にとって本当に色々あったのだ。  元気なときはいい。めいっぱい働ける。それこそ睡眠など数時間でいいほどだった。そうして働けるときは働いて、貯蓄をして、働けないときはただ家にこもる。健常者を羨ましくも恨めしく思ったことは数知れないが、こうなってしまったものは仕方がないと心を入れ替えられるほどの期間は経っていた。  今日はスーパーで仕事をしていた。やはり夕方時は混むので、こちらの仕事は十九時までやらせてもらっている。家族がいない身としては、何時まで働いても構わないのだが、それ以降はお客さんも減るからか以前から働いている人だけで回せるというのがお店の言い分だった。こちらとしても、かなり融通を利かせてもらっているため我が儘は言えない。  コンビニでバイトもしたし飲食店でも働いたのだが、そのどこも急に出勤ができない日があるバイトを働かせるわけにはいかないと早々に首を切られてしまったのだった。自分でもそれは仕方がないと思うので、なにも言えず職を転々とする羽目になった。そうして数年前に、今のカーテン屋で雇ってもらえた。それだけでは生活が不安で今のスーパーも始めたのだが、それが功を奏したのか以前よりも働けるようになった。私はストレスの発散が下手くそだったのかもしれない。
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