想司の気持ちが知りたいよ。

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想司の気持ちが知りたいよ。

どうしよう、結局告白できずに 1週間過ぎてしまった。 どんよりした気持ちで次の授業に向かう。 廊下にはまばらに人が散らばっていた。 曇った空とあたしの気持ちがシンクロしてる…。 こんなことでシンクロしても嬉しくないよ…… 「もういっそ、告らないほうがいいかも…」 「はぁ?美空何言ってんのよ」 「だって、告白して振られたら気まずいじゃない! それにあたしともう仲良くしてくれない かもしれない…」 花乃は呆れたようにため息をついた。 「わたしからみても2人だいぶ脈アリだと思うわよ。 ぐるぐる考えてないで、とっとと行動に移しなさい」 「脈アリじゃないし そんなこと簡単に言わないでよ〜! それが難しいから相談してるんじゃない」 「…じゃあ、チョコレートを渡すなんてのはどう?」 チョコレート? 「なんで?」 「2月は、萩本くんの誕生月でしょ。 バレンタインもある。会えなくなるその前に チョコと一緒にあんたの想い届けたらいいじゃない」 そっか。 チョコをあげたら あたしの想いを届けられるんだ。 もし、告白できなくても本命だって言ったら 意味は伝わるだろう。 そう思うと少し気持ちが楽になった。 「ありがとう、花乃。 あたし、やってみるよ」 鼻息荒く言うと花乃はふふっと笑った。 「恋する乙女は可愛いわね」 「なっ、そういうのはいいからっ!」
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