想司の気持ちが知りたいよ。

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「先ぱーい、本日もおモテにならないようでー」 「ぶっ殺すぞ?」 通学路を歩いていたら後ろから想司が挑発してきた。 ほんと腹立つな、こいつは。 でもあたしもこいつのことが 好きなんてどうかしてる。 まだ人通りの少ない通学路を並んで歩く。 朝の光があたし達を優しく照らし、 まだ昼間のような暑さはなかった。 これって、なんかデートみたい…。 やばい。心臓がドキドキしてきた。 「先輩、今日、可愛いですね」 「へぁっ!?」 想司が突然そんなことを言うので前につんのめって こけそうになる。 想司はそんなあたしを抱きとめた。 「ドキドキしましたか?」 想司の綺麗な顔が近づいて勝ち誇ったように笑う。 そんなん、ドキドキしないわけないじゃん。 頬を膨らませて「ドキドキするわけないでしょ」と 想司と距離を取る。 さっき、あたしがこけそうになるの さりげなく助けてくれたよね。 あぁ、この気持ち止めようがないわ。 あたし、あんたのことが好き。 「想司、さっきは助けてくれてありがと」 「…何のことですか? あ、カツアゲされてた犬を助けはしましたけど」 「どういう状況よ!それ! あんたほんと素直じゃないわね!」 あたしは早歩きで想司を追い越した。 「先輩〜!待ってくださいよ〜」 こんな日々がずっと続いたらいいのに。 そう思うと少しだけ切なくなった。
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