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「夏川さん、君のことが好きです!
俺と付き合ってください!!」
下駄箱に手紙が入っていたものだから
手紙に書かれている通り、校舎裏に来てみたら
同じクラスの南くんに告白された。
校舎裏にはあたしと南くんしかいない。
え?
思考が宇宙まで飛んでいく。
「あたしのことが、好き?」
「う、うん、話したことはないけど、
ずっと君のことが気になってて」
南くんは照れたように俯いた。
「で、でも、あたし…」
好きな人が、と言おうとするけど
南くんが声を上げた。
「返事は今すぐじゃなくていいですからっ!
デートして僕のことをちょっとでも意識してくれたら
僕と付き合ってください!」
その必死な表情があたしと重なる。
「っわ、わかっ」
「悪いですけど」と後ろから声がしてぐいっと
手を引っ張られた。
その拍子にあたしと南くんとの間に
距離が生まれる。
「先輩は俺だけのものなんで」
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