君に想いを届けたい

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「先ぱーい!お待たせしました! 空から魚が降ってきたんで回収に協力してたら 遅れましたー!」 「嘘をつけ。魚が降ってきたら 異常事態だしあたしだって気づくわ」 あたしは呆れた目で想司を見る。 今日はデート当日。 現在9時15分。 うぅ、想司を家の前で待ってたら なんか肌寒くなった。 手首をさりげなく擦ると 想司は羽織っていたカーディガンを あたしの肩にかけた。 「先輩の体、見るに耐えないんで 羽織っといてもらえますか?」 「ぶっ殺してあげようか?」 ったく、素直じゃない奴め…。 あたしが寒がってるのに気づいて 自分のカーディガンをあたしに 貸してくれたんでしょ。 意地悪だけど優しいなんて卑怯だよ。 そう思いながらもカーディガンを羽織る。 想司の体温が伝わってきて自然と 鼓動が早まるのを感じた。 「先輩、話があるって聞きましたけど 何ですか?まさかまた告白ですか〜?」 想司がニヤニヤ笑う。 「……そうだよ」 想司がその表情のまま固まった。 「え?」 「あたし、あんたのこと…」
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