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「全然知らなかったなー。傑の母校だったんだ。」
嫌な予感が当たった。
学校で会った担当の若い先生は初澤聡だった。
「…言ってなかったし。てか、お前もどこにいるかくらい教えろよ。」
「えー?」
「は?」
相変わらずだ。
「教員免許取ったのは知ってるけど、卒業式から…急にいなくなって。変に連絡して邪魔すんのも悪いかって思って…。」
「あー、心配かけちゃったか。それはごめん。でも、遠慮してくれるなよ。」
お前にこうやってまた会えたのは嬉しいけど、俺ばっか盛り上がってもなんか変だし。
「傑よ。連絡してきてくれていいんだぜ?番号もLINEも変わってないからな。」
「なんで俺がお前に……。」
俺はコイツと離れてコイツを誘うのを諦めた。居場所も教えてもらえなかったし。
「いやいや。お前の方が忙しいだろ。メジャーデビュー前ツアーとか。YouTubeもあるし…お前のタイミングでいいって。」
もしかして、コイツ。俺のことずっと。
「お前だって忙しいだろ。」
「あー。うん。でも昨日見に行ったよ。てか、不時着のお客さん民度いいよな。ステキだよ。」
なんだよ、来てたのかよ。
「昨日俺、開演ギリギリ間に合って。1階席の1番後ろで見てたんだ。
つーか、チケット取るのもギリギリだった。
先行落ちて、2次先行落ちて、一般で落ちて、キャンセル出てやっと買えた。
でも、2階じゃなくて1階でラッキーだったね、俺。持ってるわ、やっぱ。」
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