始まり

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始まり

「ねぇお祖母様。最近、ぜーんぜんお父様来てくれないね。」 僕はそう、隣の三十歳ほどに見える女に話しかけた。 「きっと忙しいのよ。お父様のことが気になっても、現世は危険だから絶対に行ってはいけないわよ。」 ついこの間まで…三年くらい前までは自由に行き来してよかったのに。首を傾げた僕の頭を撫でながらお祖母様は続けた。 「お父様はあなたのために頑張ってくれてるのよ。」 「そっかぁ…分かった、行かないよ!」 お祖母様はそれを聞いて安心したように微笑んだ。 もちろん、お父様のところには行きたい。だって、僕のために頑張ってくれてるんだったら、僕もお手伝いしなきゃ。
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