【2】恋のピースがはまらない

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⑤  新橋で19時に友達と落ち合い、グルメサイトで高評価だったお寿司とお酒を堪能した。少々お財布が寂しくなったが、毎日必死に働いてるのだからたまにはご褒美も必要だ。その後、カラオケでストレスを発散し解散したのは終電間際だった。「遅くなったね」と言った友達に私は「明日は遅番だからノープロブレム」と笑うと、「いいなぁー」と言った友達とそこで別れた。  東京の終電は人が多い。美月は朝の通勤時と変わらない満員の電車に乗った。首都圏で働く会社員は、全国でいちばん通勤時間が長いらしい。ネットか何かで平均1時間半と見たことがあるが、そんな時間を掛けてまで通勤していても遅くまで飲みたくなるんだなと他人事に思ったが、次の瞬間「私も一緒か?」と笑いそうになった。  でも、私は明日はゆっくりだもんね!と優越感を感じながら電車に揺られていたが、ふと今朝の彼のことが頭に浮かんだ。 「また会えないかなー」  友達と別れ1人になると急に寂しくなったせいかもしれない。シティホテルのフロントの仕事は華やだねと言う人もいるけど、人の人生の受付ばかりしていると寂しく思う時もある。  携帯のスケジュール表を開けて、次の朝番の日を確認すると次の朝番は3日後だった。
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