【4】そして・・・

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【4】そして・・・

①  朝番の出社は眠いし人も多いしずっと遅番でいいのに。今日もトラブルがなく1日終わりますように。そんなことを考えて家を出た。いつのまにかあの人のことは考えないようになった。   適度に揺れるバスは、寝不足の私には気持ちの良いゆりかごだ。美月はシートに座るとすぐに睡魔に襲われた。  頭を空っぽにして目を瞑った。このまま寝ていたい…。その時、ブレーキが踏まれてバスが揺れた。目を開けるとバス停に止まっていて前方を何気なく見たとき、あの人が乗ってくるのが見えた。  一瞬で眠気が覚めた。  もう、会えないと思っていた……  この人のどこに私はこんなに惹かれるのだろう? 美月は答えを探したくて見ていた。信号が赤に変わりバスが揺れた時、男性がふいにこっちを見た。
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